玉手箱 i 古代ギリシャ哲学 | [ひゅーば] 一般社団法人 日本ヒューマンバリュー開発協会







(1)ギリシア哲学の誕生
ヒト(人類)は知識によりかかって生きているという点で、動植物とは区別されています。
人間の知識の体系は膨大ですが、大きく言えば自然界の構造を追究する知識や原理原則や自然界の資源を活用しようとする<自然を追究する科学>と、人間の生き方や考え方、また人間社会を追究する<人間系科学>があります。
両者の源流の代表的なものは<哲学>です。
<哲学>(フィロソフィア)は紀元前5世紀、古代ギリシャのアテネのソクラテスによって始まります。弟子のプラトン、さらにその弟子のアリストテレスによって古代ギリシア哲学は頂点を迎えます。
最初に哲学といったのはソクラテスですが、フィロソフィアという意味はフィロ(愛する)、ソフィア(知識を)つまり<知識を愛する人>とソクラテスは自らを語っています。

(2)ソクラテスはなぜ<知識を愛する>といったのか
都市国家アテネは民主主義が過度に発達していました。選挙で勝つためにも、法廷で裁判から身を守るためにも(当時は弁護士という職業はなかった)、弁論術に長けている必要があり、詭弁もさかんになりました。
ソクラテスは市民が、詭弁をもてあそんでまでも個人的権利を主張したりすることによって、ポリスの精神が失われ、祖国アテネが危うくなるという危機意識から、当時の知識人(ソフィスト)たちに敢然と挑戦したのです。 正しいことを求める合理精神を持ち、彼の挑戦は、徹底した既成知識の否定でした。そして死刑判決を受け、<悪法といえども法である>と言い、毒杯を飲み干すのです。ソクラテスは生涯、一冊の本も書きませんでした。そしてその意思は弟子のプラトンへと引き継がれます。

(3)ソクラテスのアイロニー(皮肉)から生まれた哲学という言葉の由来
フィロソフィアを哲学と訳したのは、西周助です。<賢哲を愛する>という意味から、明治初年に哲学と訳しました。<賢哲>とは<賢くて明晰>ということです。
ソクラテスは<知を愛し><知を欲しがる>のであって、知を所有しているわけではありません。
<私は知らないということを知っている>ということでソフィスト<知識人だと自称、自尊する人>に立ち向かうわけです。
したがって哲学という言葉はむしろソフィストの学問ということになり、知識を<探求する>という意味では本来ありません。
西周助は最初、希哲学<知識をねがう>と訳したのですが、いつのまにか<希>が消えてしまったのです。

(4)ソクラテスの役割は何だったのか?
ソクラテスはソフィストとの論戦は質問攻めと否定でした。彼がそれ自身に代わる新たな原理、新しい
概念を持ち出したわけではありません。ソクラテスの使命は、新たな価値観が生まれてくるための大掃除をすることでした。そしてその役割はプラトンが引き受けます。

(5)現代まで続くプラトン主義
プラトンの中心的な関心は、ソクラテス同様、祖国アテネをどうしたらいいか、そもそも国家とはどうあるべきか、その市民はどういう倫理観をもつべきかという点でした。それには堕落衰亡の一途をたどるアテネを目前にしていたという背景があります。
そして、注目すべきことは単なる思考、思案ではなく実践的関心としてとらえていたのです。
理想国家を造ろうとシシリー島に数度にわたっていき、政治的実験をしたりします。
この考え方は、後のキリスト教社会、近代、現代へと脈々と受け継がれています。
たとえば、企業とはどうあるべきか、理想の企業とは、理想の企業人とは、理想の人間とは、
企業理念とはという問いかけ理想的規範を創ろうという考え方はプラトン主義に基づいているといっていいでしょう。

(6)イデア論
プラトンのイデア論のイデアは<姿、形>を意味しますが、理想的形態と解釈しても良いでしょう。
たとえば、正義のイデアは正義の理想像、美しさのイデアは美しさの理想像、勇気のイデアは勇気の理想像、図形や植物に全てあると考えました。
そして、裁判官はさらなる公正をねがい、また、植物はより成長しようとする。
すべてはより完全になろうとするが、このように全てが目指すものを<善>とよびます。
そして<善>のイデアは最高の価値をもつとしたのです。


プラトンとアリストテレス
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(7)アリストテレスの現実主義
バチカン宮殿にラファエロ作の<アテネの学堂>という絵があります。
プラトンとその弟子であるアリストテレスが議論しながら歩いている姿ですが、
プラトンが天を指差しアリストテレスが大地を指差しています。
理想主義者プラトンと現実主義者アリストテレスということです。
アリストテレスは、プラトンの理想主義と違い、すべての存在者はそのうちに潜在している可能性を次々に現実化していく目的論的運動のうちにあるいうことです。
アリストテレスは静的なプラトンのイデア論を動的に捉え直したともいえます。


ソ、ソ、ソクラテスもプラトンもみんな悩んで大きくなった。
あなたも私も大物だあ!




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